陶道無今昔 [著]大樋長左衛門


大樋焼の十代目として、歴代が守り続けてきた技法を大切に引き継ぎながら、創意あふれる作品づくりにも取り組んできた十代大樋長左衛門氏が、著書「陶道無今昔(とうどうにこんじゃくなし)」(A4変型判、216頁)を北國新聞社から出版した。

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同著では、百枚余の写真に解説を加える形で、氏が「十代大樋長左衛門」という業統を受け継ぎながら、何を見聞きし、どのような思いを込めて作品と向き合ってきたかが語られている。「常に、人とは違う独自のもの」を肝に銘じてきた氏が、最も大切な展覧会と位置づける日展に出品した作品のかずかずや、人一倍負けず嫌いという氏が「越えられない壁」と語る初代長左衛門の作品など、一枚一枚の写真に加えられる解説を読んでいると、氏と対話しているような気持ちにさせられる。

また八代である祖父、九代目の父、そして自らが出会った文化人や芸術家が、大樋窯で制作した作品やその人柄なども紹介されている。例えば、東京美術学校(現東京藝術大学)からの友人である草月流の勅使河原宏と日本画の加山又造との交流も、二人が制作した抹茶碗の写真とともに語られるという具合だ。陶芸ファンには、興味のつきない内容となっている。

同著の出版を記念して、石川県金沢市の大樋美術館では、出版記念展を三月末まで開催。著作の中で紹介された作品を見ることができる。

(北國新聞社・定価5,000円)

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