角川 日本陶磁大辞典 普及版


このほど㈱角川学芸出版は「角川日本陶磁大辞典普及版」(A5判、1580頁)を刊行した。

角川日本陶磁大辞典・普及版「やきものに関するあらゆるジャンルのあらゆる用語を網羅」するという本書は、やきもの専門用語としては圧倒的ともいえる7200の項目に精彩なカラー図版1300点を盛り込む大辞典。2002年刊行の同名書の縮刷版で、平成の大合併による自治体名の変更や、物故した現代作家の没年記述など、必要な補訂を行っている。

立項用語は、13ジャンルにわたる精鋭の専門編集委員と執筆者ら220人が、それぞれの専門の研究成果を反映してわかりやすく解説。縄文時代から現代に至る歴史を網羅する美術や用語、成形から焼成までやきもの制作の工程を網羅する技術や専門用語、伝統文化を支えてきた国宝や重文の作品などといった国内の関連項目に加え、中国・朝鮮陶磁、東南アジアや中近東、ヨーロッパにいたる世界のやきものの主要な用語も立項している。

巻末の付録資料も陶磁器関連情報のデータベースとして大変重宝する内容。国内外の古窯跡分布図、陶磁器編年図表、窯構造・窯道具の変遷、日本陶磁史系統図、中国・朝鮮・日本年代対照表、陶芸技法、器物形状一覧、国宝・重要文化財/重要無形文化財保持者一覧、陶磁器関係文献一覧、陶磁器関連美術館・博物館一覧など、貴重な情報を網羅している。

2002年刊行の親本と比べ、70%コンパクトになり利用しやすく、価格も約半額となり購入しやすくなった。陶芸作家や骨董収集家はもちろん、陶磁器業界の関連業者必携の一冊。

(角川文芸出版、24,150円、発売記念特別定価 [2011年7月末まで]:20,790円)

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